上司ではなく親方。人材が育つための徒弟制度。
「人材育成」は多くの組織が抱える重要課題のひとつではないでしょうか。
今回のAgendでは、宮大工の徒弟制度からヒントを得て「上司・部下ではなく、親方が弟子を持つ」という独特な人材育成システムを導入している株式会社ソニックガーデンの倉貫さんにインタビューさせていただきました。
上司と親方の違い、徒弟制度でどんなふうに人材育成をすることができるのか等、とても興味深いお話をお聞きできましたので、人材育成やミドルマネージャーの役割についてヒントが得られる記事になっていると思います。ぜひ、最後の「まとめ」までお読みください。
倉貫 義人
株式会社ソニックガーデン創業者、代表取締役社長。株式会社クラシコム社外取締役。
大手SIerにて経験を積んだのち、社内ベンチャーを立ち上げる。2011年にMBOを行い、株式会社ソニックガーデン設立。月額定額&成果契約で顧問サービスを提供する「納品のない受託開発」を展開。著書に『人が増えても速くならない』『ザッソウ 結果を出すチームの習慣』など
【Agendインタビュアー】 フジイユウジ
Agend編集長。
スタートアップや様々な事業の経営やグロースに携わる中で、事業を成長させるためのチームコミュニケーションに興味を持つようになり、仕事のコミュニケーションメディア「Agend」を立ち上げた。
人を伸ばすには「上司と部下」ではなく、「親方と弟子」がしっくりくると思った。
倉貫さん、お話できるのを楽しみにしていました!今日はよろしくお願いします!!
よろしくお願いします。
ソニックガーデンは「良いコードを書きたい」という実力のあるプログラマーが、良い仕事をするためにつくった会社です。
それを実現するために、お客様を巻き込んで一緒に良いソフトウェアを作っていく「納品のない受託開発」という事業をやっていて、ぼくらはお客様の社内にいるエンジニアのように働くし、なんだったらお客様のCTOのように振る舞うこともある。
いま社員は60名くらいですね。
ソニックガーデンさんというと「実力あるプログラマーがプレイヤーとして働いているプロ集団」というイメージでしたが、ここ数年で一般的なマネジメントではなく「徒弟制度」を取り入れた人材育成をやっているらしいじゃないですか。
今日は、その「徒弟制度」ってどんなことやっているのかというのをお聞きしたいと思って来たんですよ。
倉貫さんがまとめた「上司と親方の違い」をまとめたスライド
ブログやスライドでも何度か出していますが、この「上司と親方の違い」ですね。
薬師寺金堂を手がけた宮大工の方が書かれた『棟梁』という本を読んで、良いプログラマーが育つ環境を考えたときに「上司と部下」ではなく、「親方と弟子」がしっくりくると感じて取り入れました。
海外でも徒弟制度が見直されるような動きがありますし。
この表を見たときに、ぼくは「多くの会社で上司が親方もやって、親方が上司もやるのがミドルマネージャーの仕事になってるから大変なんだ」と思ったんですよ。
あるときは親方っぽい振る舞いをしているのに、別のシーンではマネージャーとしての振る舞いを求められているし、部下側もチームメンバーとして動いてたのに急に弟子っぽさを求められたりする。
役割が明確ではないことが、けっこう不幸を生んでる気がするんですよね。
そう思います。
ソニックガーデンでもプログラマーは職人なので徒弟制度の親方にしていますが、コーポレート部門は普通にマネージャーが上司なんですね。役割を変えています。
親方は弟子より仕事ができる上位互換でないといけないけど、上司部下の世界ではマネージャーより実務能力が優れたメンバーがいて良いわけなので。
「ここが違うよ」って言ってくれる人が親方。
世の中の風潮からいくと、上司であるマネージャーは指示命令というよりは本人のやりたいことや個々の強みを生かし、尊重しながら会社の方針とすり合わせをするのが良しとされていますよね。
上司であるマネージャーとチームメンバーという関係ならこれで上手くいきますが、徹底的に鍛えて仕事のやりかたを習得することはやりづらくなっているのではないかと思います。
一方で徒弟制度では、「育ちたい、弟子にして欲しい」という希望者から選抜して弟子にしてますから、親方は弟子に対してマネージャー的上司の振る舞いをしないで、親方的な振る舞いを徹底的します。
なるほど。
選抜を受けて弟子になりたくて来ているのだから、最初からやりたいことを尊重されているともいえる (笑)
普通の就職をしたと思っている人に「今日から弟子になって親方の言うことを聞きなさい」って言ったら、問題になりかねないですよ。
あと、徒弟制度だからといって、昔の職人みたいに雑用しかさせないってこともないです (笑)
給与も出るし、プログラミングも教えてはもらえるけど、ともかく熟達のために徹底的に指導をするので「数年は弟子として技術を磨き続けるぞ」という覚悟がないと弟子としてやっていけないですけどね。
あの「上司と親方の違い」の一覧表があることで、お弟子さんに対して「親方はこれをやります、これはやりません」と明示されているのが良いですよね。
「あなたは親方の弟子ですよ」と共通認識を持つことがコミュニケーションのベースになっている気がしました。
プログラミングと徒弟制度の相性が良いと考えた理由として、良いコードを書けるようになるのは研修とかで身につくもんじゃないと思ってるからなんですね。
スポーツと一緒で、どれだけYouTubeで野球見たとしても上手くなるわけがない。 サッカーの本を死ぬほど読んでもサッカーが上手くなるわけじゃない。やっぱり実際の身体を動かさないとできるようにならない。
経験が染みることで判断力や技術力が上がるやつだ。
プログラミングもさまざまなシチュエーションで実際にコードを書いて、体験で覚えないと熟達できないってことですね。
かといって、自己流でひたすら量だけやれば良いということでもない。
どうすると技術が身につくのかって言ったら、熟達した人からフィードバックもらうことだと思っています。
ボールを上手く投げられるようになりたいとして、フォームを見て「肩をこう、腰をこうすると良いよ」ってフィードバックもらったらできるようになるけど、教わらずに試行錯誤だけで良いフォームにたどり着くのって難しいことじゃないですか。
その、「ここが違うよ」って言ってくれる人が親方なんですね。
お弟子さんは、実務としてクライアントワークの中でそういうフィードバックをもらうんですか?
最初のうちは、社内の育成プログラムに基づいた課題をやっている時間が多いと思います。
ECサイトを作りましょうとか、ブログを作りましょうみたいな実際の案件を模して仕様が決まっている課題から、弟子が自分で設計してみてコードを書く。親方はそれにしっかりとフィードバックをする。
すこし慣れてきたら、親方の持っているタスクから簡単なものをやってもらうこともありますけど、どのくらい実務をやらせるかは親方が決めていますね。
親方は弟子に対して「正解」を持ってないといけない。
「親方としての振る舞いを徹底する」って、これをやりきるの大変そう……。
つい、マネージャー的なサポーティブな動きをしてしまうというか、親方として厳格なフィードバックをしないといけないとか、親方をやるのに難しいポイントがありそう。
そうですね。
親方の振る舞いで大事なのは、「厳密である」ってことです。
これはもう、弟子のやったことにちょっとでも違和感をもったらすぐにフィードバックするし、指導する。
他の人がこれぐらいならいいじゃないかって思うようなことでも、親方が違和感を持つならそれを一切許さないっていう厳密性が必要だっていうふうに言ってます。
細かなことについてマネージャーとしての上司ならば部下の個性を活かすけれど、親方はまずは自分の「型」を徹底的に伝えるわけですね。
次に親方として大事なのは、一貫性。
親方の言うことに一貫性があれば、弟子はその親方が考えてることやっていることを親方と同じようにコピーができる。親方と同じ視座で作業できるようになることを目指しているわけなので、コピー可能でないといけない。
親方の説明や仕事の進め方に一貫性がないと何が起きるかっていうと、弟子は親方の顔色を見るようになっちゃうんですよ。
うわーー、これはめっちゃわかります!!
気分や機嫌で言うことが違うと「これやったら怒られるかも」と、顔色を見た動きになるんですよね。
親方が一貫性を徹底できてなかったら、お弟子さんがただ理不尽に耐えることだけ習得しちゃいますもんね。
一貫性さえ持ってれば、弟子は親方の機嫌ではなくロジックを理解しようとする。
なので、 弟子が親方の気分にふりまわされないように、親方は必ず一貫性持って仕事してくださいねっていうことを言ってます。
細かく、厳しいことを言っていても「なぜそれを言うのか、どうしてこうなのか」に一貫性があればそのロジックを覚えて身につけられますもんね。
チームコミュニケーションの話として、とても勉強になります。
細かく、厳しく、厳密さと一貫性がある。ただ、それだけだったらただ怖いやつになる。
それなので、親方は無理に弟子に弱いところを見せないような取り繕いかたをせず、素直でいてくださいねと伝えています。親方のダメなところは別に見せてもよくて、人間性を見せることで弟子たちも親方に対して恐れるだけじゃなく、親しみを覚えてくれる。
ただ厳しいだけで人間性を見せないと、弟子が親方の話を聞けなくなるんですよね。
あー、これは本当にそうですね。
人間味をもって接する、「親方」って言葉のイメージする通りだなあ。
これは、優しくしろという話ではなくて、あるがままでいてくれっていう感じですね。
プログラマーという職人的な世界の良いところは、技術力の差が当人同士で明確にわかることだと思ってて。ちょっと仕事を見たら自分より遙かに技術力が高いっていうことがわかるので、親方は弟子の憧れの対象になるんですよ。
職人を目指している弟子からしたら、圧倒的に能力が高い親方からなら厳しく言われたとしても、もっと頑張ろうってなるじゃないですか。
逆にたいしたことないって思われたら弟子は親方の言うこと聞かなくなるから、親方は弟子に圧倒的な技術力を見せつけるレベルにいなくてはいけない。
チームメンバーの方が能力が高くて優秀でもいいマネージャー的な上司との大きな違いですよね。
強く見せようとしたり、取り繕ったものじゃなくホンモノの技術力を持ってないと技術者として尊敬されないから、めちゃめちゃ大変そうだけど。
プログラミングやエンジニアリングにおいて、親方は弟子に対して「正解」を持ってないといけないんです。
実際は仕事の正解なんてやってみないとわからないことだらけだけれど、「チームで正解を探そうね」ではなく、親方が弟子に正解を示さなきゃいけない。
たとえそれが正解かどうかわかんなくても、少なくとも親方は弟子に「これが正解です」って言ってあげないと。
ひええ~、ホントに親方は大変だなあ。
でも、そうしないと弟子が迷っちゃいますからね。
そうです。弟子はまだ何が良いかわからないわけだから。
仕事における審美眼とか価値観を磨くにはどうすればいいかって、より経験を詰んだ人の価値観や考え方を知ることだと思うんです。
将来、独り立ちして自分で考えられるようになったら別の答えを見つけるかもしれないけど、いまはこれを答えとして動きなさいと言ってあげることで、熟達した職人への近道になると考えています。
昔の「悪い徒弟制度」と違って、怒鳴られたり感情的に怒られたりすることもないし、腕を上げたい弟子にとってみたらめちゃくちゃ良い環境ですよね。
数年間で親方にみっちり鍛えてもらえるんだから。
そうですね。
親方やってるベテランは、お客様へ真摯にコンサルティングをしなくてはならない立場です。
それなので、職人といってもコミュニケーション取りづらいみたいなタイプはいないですし、弟子に対しても真摯だと思います。
アップデートされた「令和の徒弟制度」だ (笑)
いや、これ熟達者を増やすために考え抜かれてますね……
先ほどお話したようにキーボードの打ち方から使っているエディタまで、親方が考える生産性の高いスタイルを徹底的に守ってもらうような厳格さはありますよ。プログラミングもソースコードを親方から細かいところまで厳格に添削される。
もちろん、親方は何故それを直させるのか説明ができないといけないし、弟子はそれを受け止めなくてはならない。
それを徹底してもらうには、やはり「上司・部下ではなく、親方・弟子なんだ」というのが大事なんだと思っています。弟子でいる間は守破離の「守」をやるんだという前提が共有されるので。
親方やベテラン勢がちゃんと売上・利益を上げて、その余裕でお弟子さんが給与をもらいながら鍛えてもらってるんだから、マジの徒弟制度ですね……
ソニックガーデンは全員が在宅のフルリモートだったんですけど、徒弟制度をはじめてからは弟子は親方の近くにいないと成長しないとわかったんで、日本全国の親方が住んでいる家の近くに「親方ハウス」というオフィスみたいな場所をつくって、弟子はそこに出社することにしました。
東京、広島、岡山、神戸、愛知……日本各地に「親方ハウス」をつくっています。
弟子には数年だけの修行だと割り切ってもらって、親方ハウスの近くに引っ越してもらってますね。
弟子の成長のためでもあるんですが、親方の負担を減らすためでもあります。
親方がリモートで弟子のことを見るのは負担が大きかったのですが、弟子が親方の近くにいくことでそれが大きく減ったので。
あと、弟子同士も近くに仲間がいて、親方ハウスで仕事以外の時間を過ごしたりすると頑張れるみたいなんですよね。
兄弟弟子との修行生活って、少年漫画みたいだな (笑)
そういう体験も含めて、お弟子さんたちにとっては良い人生経験になるんでしょうねえ。
何のためにここまでするかっていうと、それがプログラマーとして一番早く成長するからだと僕らが考えているからです。
すでに入社2年経過して3年目に入った一期生たちがいるんですけど、まだベテラン並みとまではいかなくても、ちゃんともうお客様との仕事に入ってしっかりソニックガーデンの一員といえる仕事をしてくれています。想定以上に早く成長している。
他の会社で2年間過ごすよりも、ソニックガーデンで2年間弟子をやった方が圧倒的に良いプログラマーに近づくんだと実感していますし、徒弟制度をやって良かったと思いますね。
人のケアをしたい人は、親方じゃない。
このレベルで「親方」であることを要求されるのは大変だなあと思いました。
親方として良くない振る舞いをしてしまったり、上手く親方をやれない人も出てくるんじゃないですか?
親方をする方も初めてのことなので、いろいろな課題が出てきますよ。
そういった課題に適応しながら親方をやっていくために、「親方ふりかえり」という会議があって。
ぼくや親方みんなで悩みを話し合って、一緒に悩んで一緒に考える。
「親方ふりかえり」めちゃくちゃ良いっすね。
従来の徒弟制度って、親方に責任も権力もぜんぶ渡してしまってたから、育て方もわからないまま親方がめちゃくちゃなことを言ったりして、弟子がどんどん潰れていくことで衰退して、現代的なマネジメントに取って代わられたんだと思うんですね。
でもソニックガーデンでは、親方ひとりに責任を負わせていない。親方が弟子を育てられるように会社が支援して、親方たちの棟梁である倉貫さんが寄り添って一緒に悩んでくれる。
弟子は一人ひとりみんな違いがある。
若者に向き合うっていっても、こうすれば上手くいくというやり方はないし、全員が上手く育つもんでもない。
最初から上手くいくわけがないから、親方たちと一緒に悩んで考えて学んでいくしかないと思っています。
いやー、聞けば聞くほど親方やるひとたちはスゴいなって思います。
でも、めちゃくちゃ人に対して優しくサポートするのが好きなタイプの人もいるんじゃないですか。
そういう、マネージャーには向いていて「親方」に向いていないって人もいると思うんですけど。
そうですね。
介入しすぎる感じの人は、ちょっと親方には向いてないかもしれないです。
育てるというよりは、弟子が自分で気づいて育つという制度だと思っているので、人のケアをしたい人は親方じゃないですね。
なるほどなあ。
あ、人を育てるのに興味ないって人はいないんですか?
もともとが職人集団だし。
そういう人もいるので、親方をすることに前向きな人にしかやらせないです。
「良いコード書けない人を育てながら仕事するのはちょっとめんどくさいっすね」なんて言葉が出たら、その人に親方をさせることはないと思います。
親方をイヤイヤやってる人のもとで弟子が育つわけないですよね。
弟子も親方も、どちらも本人がやりたいと言ってる人たちで構成されているから、良いんだろうなあ。
例えば、客商売がイヤだって言ってる人に「お金払うから一生懸命お客さんのこと考えてくれ」って言っても無理じゃないですか。
本人が良い仕事をしたい、お客さんのために仕事したいって思わない限りはアウトプットがでないので。
親方という仕事も、若者に興味があるとか、良いプログラマーを育成してみたいって人にしかできないと思うんですよね。
弟子はこうやって「仕事」ができるようになっていく。
お弟子さんにプログラマーとしての技術を教えるのがメインであるとは思うんですけど、仕事の進め方だとかマインドセットみたいなものも教えるんですか?
はい。技術だけあれば良いってことはないんですよ。
もともと、ソニックガーデンは良いプログラマーが自律的に仕事をすることを大切にしているので、徒弟制度を導入する前からセルフマネジメントの定義があって。
弟子はこのセルフマネジメントの第1段階をできるようになりましょうねっていうのがあります。まず時間を守るなどの「自己管理」、仕事の「進捗管理」があります。
第1段階の対人にある「ホウレンソウ」は、タイミングや内容などを適切に相談できるができたらOKだけど、 第2段階になると内容が固まっていない雑な状態で相談する「ザッソウ」ができるようになりましょうっていう難易度の高いことが求められます。
これ、第2段階どころか、第1段階すら怪しい大人が世の中には結構いるんじゃないですか。
「タスクばらし」なんて、それなりにPMスキルある人じゃないとできなかったりするのに第2段階……
「タスクばらし」ができないうちは、親方からタスク化されたものを渡される。
弟子がタスクばらしを自分自身でできるようなったら、やっとタスクではなく仕事を渡せるようになるんですね。
ソニックガーデンに即戦力として中途入社するプログラマーたちは第3段階くらいなので、弟子もそこを目指しましょう、ということになります。
入社直後の弟子は「技術力がないことが悩み」って言うんですね。
でも、面白いことに半年くらい経過すると、「いまの悩みは親方に上手く相談できないことです」って言うんです、ほぼ全員が。
入社直後は自分のことしか見えてないから、仕事するための技術力が足りないって思う。
次の段階では、上手く相談できるようになれば仕事ができるんだと気づく。これは視座が一段階あがっているってことです。
どう相談していいかまだ悩んでいるけれど、相談や協力をしてもらって仕事の課題を解決できるんだと気づけている、ちゃんと成長している。
なるほどなあ!
ちゃんと「仕事ができる」とはどういうことか気づける環境があるのは素晴らしいすね。
でも、相談のやり方を親方が丁寧に教えるということはないんですよ。
親方の仕事を見たり、もっと仕事できるようになることを親方から求められる中で、自分で気づいて、自分で工夫をすることで身についていくものなので。
まだまだ徒弟制度は手探りですが、そういう自律的に動ける良いプログラマーを増やしていけたら良いなと思っています。
まとめ: 良い技術者を増やすための人材育成として徒弟制度を見直す。
■ 部下のほうが優れていても良い「上司」に対して、「親方」は弟子の圧倒的な上位互換である。
■ 個々を尊重しながらチームをガイドする「上司」に対して、伸びる弟子の熟達をガイドするのが「親方」。
■ 例え小さなことでも、親方が違和感を持つ仕事は一切許さない厳密性が必要。
■ 親方が一貫性のあるロジックで接しないと、弟子は親方の顔色を見るようになってしまう。
■ 経営層や会社組織が、親方をサポートする取り組みが必要。
クリエイティブな技術職において、チームで成果を出すマネジメントではなく個人の能力を伸ばすための徒弟制度が有効なことがありそうだと気が付きました。
ソニックガーデンの事業や組織、経営者の胆力があってこそ成り立つものなのかもしれませんが、同じことはできなくてもミドルマネージャーが親方と上司を両立させないといけなくなっている組織はこれらの話が見直しの参考になるのではないかと思いました。
上司と親方の違い、徒弟制度の再発明でプログラマ育成(ソニックガーデンの経営コラム)
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(企画・編集:フジイユウジ / 取材・文・撮影:奥川 隼彦)取材:2024年6月