起業家を支え続けるCOOが語る、スタートアップのチームコミュニケーション────コーチェット吉田健吾(けんごち)さん
今回のAgendは「急成長するスタートアップにおけるチームコミュニケーション」がテーマ。お話をお聞きしたのは、起業家を支え続けている株式会社コーチェット COO の吉田健吾(けんごち)さん。
起業家というパワーがありすぎて真っ直ぐ走れないエンジン。
ブレーキをかけるのではなく、そのパワーを受け止めるシャーシや足回りになって起業家のパワーを支えるけんごちさんの仕事スタイルにはスタートアップにかかわるすべての人が学べることが沢山あります。
ぜひ最後の「まとめ」までお読みください。
吉田 健吾 (けんごち)
株式会社コーチェット COO
2004年に株式会社paperboy&co.(現GMOペパボ株式会社)へ入社。ブログ等の事業責任者、電子書籍サービス子会社社長を歴任。上場プロジェクトも副社長として牽引。2013年に COO として株式会社トレタ。2020年から株式会社コーチェットCOO。プロダクト責任者を担う。
【Agendインタビュアー】 フジイユウジ
Agend編集長。2011年バンダースナッチを創業。
様々な事業の経営やグロースに携わる中で意思決定のための会議や組織論、チームコミュニケーションに強い興味を持ち、Agendの運営を開始。
ジェネラリストであることにちょっと悩んでた時期もあったんですけど……
株式会社コーチェットで COO をしております、吉田健吾と申します。
コーチェットは「コーチング」のメソッドを活用した人材育成・組織づくり支援のサービスを展開している会社です。僕は管理部門の立ち上げから入り、現在はピアコーチングサービスの「PEER+」というサービスのプロダクトオーナーもやっています。
スタートアップ界隈でかれこれ20年ぐらい仕事していますね。
けんごちさん、よろしくお願いします~
今回は急成長するスタートアップにおけるチームコミュニケーションをテーマにお話をお伺いできればと思います。
僕の成功体験はもともとチームコミュニケーションなんですよ。
ペパボに入って一番最初にJUGEMってブログサービスのチームで、デザイナー、フロントエンドエンジニア、インフラエンジニアみんなの意見がバラバラで全然話が通じていなくって。
僕はそれぞれの文脈にのっとって話ができたので、順番に話を聞いていって交通整理をした。そういうことをやっているうちに事業部長を任されて……とやることが大きくなっていきました。
だから、どうしたらチームが円滑に動くかってことを意識して、間に入る仕事をし続けています。
おー、Agendでインタビューすべき人って感じのエピソードだ。
僕も自分自身を職種・職域のちがう人たちのハブになるタイプだと思ってるんですけど、そういうジェネラリストって意外といそうでいないんですよね……
ジェネラリストであることに昔はちょっと悩んでた時期もあったんですけど、なんか悪くないなって思うようになりました。
「のりしろ」になるって意識するのが良いんじゃないかなって。
誰かと誰かの間に溝がありそうだなーって思うところに自分が入って翻訳するのがいいんだろうなと。
起業家を支えるナンバー2の方が自分に向いてるとか、右腕的な COO になりたいって言っている人が増えたような気がしているんですね。
けんごちさんみたいになりたい人は、たくさんいる。
でも、起業家の描く未来を実現・執行していくのって、みんなが思ってるより大変じゃないですか。自分で「ナンバー2に向いてる」って言う人が本当に向いているか怪しいというか。
いずれ、そういうことを教える塾をやれたら良いなと思います。
おー、いいですね。
未来を描くリーダーになるよりも、支える方やりたい人は沢山いるだろうし。実際にやり切るのは難しいので、けんごちさんの知見を広めて欲しいですね〜
起業家がどういう心理で発言しているかを大切にする。
起業家がみんなが思いつかないビジョナリーなことを示して、あとはそこに向かって頑張るだけって考えの人もそれなりにいる気がするんですけど、現実はそんな甘くないじゃないですか。
起業家の言ってることが「ビジョナリーなリーダーだから見えてる未来」なのか「ノリで言ってみただけで筋道の通ってないめちゃくちゃなこと」なのか見分けがつかなくて、どっち進めばいいのか分かんなくなってるチームとかよく見るし (笑)
ぼく自身も起業家だから人のこと言えないんだけど……
たまたま社内で、僕は真に受けない度がまあまあ高いって話をしたんですよ、最近。
真に受けない度が高い (笑)
COO やナンバー2的な立場でやっていくのに重要な能力ですよねー
いや、その立場に限らず、組織のハブになる人たち全員に必要な能力かもしれない。
ただトップに対してイエスマンなだけだと組織や事業を混乱させてしまうし、かといって起業家にブレーキかける側に回るわけにはいけないし。
社長の言うことを理解して、すぐに実行する場合もありますよ。
でも、すべてではないけれど「なんか変なこと言い出してるけど、たぶんこれ飽きるんじゃないか」って思うものは一旦ちょっと様子見をしよう、と保留にする。
思いつきかもしれない発言に対しては、ひとつひとつ生真面目には捉えない。
生真面目には捉えないけれども否定するわけでもなくて、朝令暮改に備えて予備動作はしておくんですよ。
あっ、この話ってパワフルに事業推進するとか、上手く経営をするための勘所じゃないですか?
すごく重要なこと言ってる気がする。
これ本気でやるのかわからない、 信念あって言ってるのかわからんということについては話半分に聞いておく。
もちろん話半分で聞いてるということは態度には出さないですし、ちゃんと聞きます。
ただ、周りからは変だと思えても、社長だけに見えていることがあるかもしれない。
「こうなりそうという感覚が掴めているのかも」や「最近ここに興味があって、重要と考えているんだな」と理解に努めたり、実際にやることになってもいいように調べておいたりと、予備動作はしとくんですよ。
わかんない時は話半分に聞いて、保留しとくのは結構な頻度と量でやっていると思う。
成功の秘訣が詰まっている話だ……
ただ、これってめちゃめちゃ難しくないですか?
「社長の言うことぜんぶやる」みたいなイエスマンでもダメだし、「これは正しい、これは変なこと言ってて間違ってる」とジャッジしちゃうのも違う。
「常に肯定的な態度でいながらも様子見している」くらいのバランスで、信頼と冷静さを両立させ続けるわけですよね。
まさに不確実な状態に身を置いておけるネガティブ・ケイパビリティだ。
そうですそうです。
ぼくは、そういうネガティブ・ケイパビリティが高めなんだと思いますけど、たしかに難しいことなのかもしれません。
話をしていて、これをどうやったら鍛えられるのかトレーニングを作りたいなと思いました。
ネガティブ・ケイパビリティとは:
ネガティブ・ケイパビリティは、すぐに判断を下さずに熟考を重ねながら、不確実性や曖昧さに身をおいたまま受け入れる力。
物事に素早く結論を出さず、答えが見つからなくても焦ることなく、考え続けることができる力とも言えます。
新しい概念や複雑な問題に直面した際、短絡的な理解をしないままの態度を持つことで、より深い理解や新たな発見につながる可能性が高まると言われています。
つい相手の言ってることは筋道が通っているかだとか、それやって価値が出せるかって考えてしまうじゃないですか。
それを肯定的に保留するのって胆力いりますけど、これができる人が増えたらあらゆる事業の成功確率が高まりそう。
みんな、せっかちですよね (笑)
特に創業経営者はせっかちなんですよね。自分としての答えは出てるから早く実行して答え合わせをしたいと思っている。
あああー。いまの話で繋がった感じがします。
けんごちさん、創業経営者が言ったことを「筋道通っているか」や「合っていそうか」では見てないんだ。
「相手がどういう心理で発言しているか」だけで見てますよね。
そこを見ているから、創業者を信じて支え続けられるんだなあ……。
スタートアップの事業って、不確実性がすごい高いじゃないですか。
で、不確実性が高い状態でひとつひとつ創業者の判断が正しいかを突き詰めても勝率上がるわけじゃないと思うんですよね。
創業者の言ったことはここまで4勝6負だから良くないですね、みたいな話をしても仕方ない。
発言やアクションひとつひとつをジャッジしないで、創業者を理解することを徹底してるんだ。
これはマジで力のあるナンバー2の仕事術だなあ……(興奮)
起業家にとって重要な資質「チャーミングさ」
ただ、支えるべき相手を自分が選んでいるからできることだとも思います。
自分よりも解像度を高く市場を理解しているだとか、あるいは自分よりもブッ飛んだビジョナリーなものを目指していること。
そして、一緒に事業に取り組み続けるために必要なのは、チャーミングであることが重要で。
自分には思いつかないビジョナリーなものを持っている人だから支えたいというのはあるんでしょうね。
現職のコーチェットは櫻本さんという創業者と一緒にやっています。
前職のトレタは中村さん、その前のペパボは家入さん。
この3人はそれぞれカラーの違う創業者なんですけれど、自分にとっては共通点があって、ビジョナリーでチャーミングな人なんです。
ぼくもCAMPFIREの執行役員していたときに家入さんとはお仕事させてもらったからわかります。
ビジョナリーでチャーミングって言葉がぴったりすよね。
ビジョナリーな人の語る未来にワクワクすることは大切なので外せないけれど、ビジョナリーなだけでは起業家がブッ飛んだことや一見して無茶に見えることを言うのが辛くなってしまうことがあります。
相談なく外からよく知らん人を連れてきて採用を決めてきちゃったり、ミーティングすっぽかされたり、いきなり方針転換しても、「しゃあないな〜」って思える人とでないと続けられない。
チャーミングな起業家となら「しゃあないな〜」で続けられる (笑)
「しゃあないな〜」で流せる相手でなかったら、愛を持って接することができない。
そうなると自分の中でヘイトが溜まっていってしまうじゃないですか。我慢して耐えるのだと続かないですよね。
あー。
我慢するんじゃなくて「しゃあないな〜」で流せる。
起業家側から見たら、不確実な事業に優秀なひとたちを巻き込んで生煮えのアイデアをどんどん実行していくには、我慢させるんじゃなくて「しゃあないな〜」って思ってもらえないと人が離れていくわけで。
起業家の資質として「チャーミング」がかなり重要だって改めて認識しました。
トレタのときも、コーチェットの櫻本さんもチャーミングだし一緒にやっていけるなと判断しました。
創業経営者なんて大体遠くを見てる人だから近くのことはあまり見てない。近くのことはぐちゃぐちゃになりやすいんですよ。
で、それを拾ってやっときますっていう立場になることが多いんですけど、まあまあ大変なんですね。
その大変さを超えるようなワクワクできるビジョナリーさと「しゃあないな〜」って思わせるチャーミングさがあるとやっていける。
良き COO やナンバー2は、起業家を信じて応援する側にいながらも、パワフルに現場の実務も回さないといけない。
ネガティブ・ケイパビリティがないといけないし、愛を持って「しゃあないな〜」という態度がとれないといけない。
そのためにチャーミングな起業家と組むというのが最初にあるわけですね。これ、スタートアップっぽいめちゃめちゃ良い話だな~
急成長組織で必ず起こる、組織のハブになるミドルマネージャー足りない問題。
ここまでの話は起業家や上司とのコミュニケーションみたいな話でしたが、ここからはチームでのコミュニケーションについてお聞きしたいです。
最近どこの会社でも「とにかくマネージャーがいない」って口をそろえて言ってる気がするんですよね。
スタートアップが事業を伸ばしていく中で必ずコミュニケーションのハブになるミドル層、マネージャー不足が問題になるとも言えると思うんです。
これまで色々なチームを成長させてきたけんごちさんはこの問題をどう対処してますか?
まずマネージャーの仕事が多すぎるというのがあると思うんですよね。
例えば営業成績を上げるのと、ピープルマネジメントや人材育成。まったく種類が違う仕事を抱えていたりする。
忙しい中でマネージャーが自分の背中を見せるくらいしかできていないと、それだけでは力を発揮できないメンバーが出てくるわけですがどう対処すればいいかわからない。
マネージャーがマネジメントを学んでいないのにその役割を負っていることが多い。
そこで多くの会社は「強いミドル層を採用するしかない!」って感じになるじゃないですか。
けんごちさんとしては、まず現状のマネージャーの仕事を整理整頓しようと考えるってことですか。
個人別の育成とか成長支援、目標達成支援みたいなマネージャーが持ってた役割をメンバー同士に渡しちゃうっていう方法があるんじゃないかと思って、いまの会社では3年くらいそういうことをやっています。
メンバー同士で自律的にそこまでできるもんですかね?
「ピアコーチング」っていうのがあって、上下関係のないメンバー同士が目標達成とか成長に向けての支援を1on1で相互にやっていく取り組みなんですね。
メンバー同士が助け合いをしながら自律的に動く組織になっていく仕組みなんですね。
それがマネージャー足りない問題の解決になるのか。
なるほど、これ面白いっすね……
コーチェットによるピアコーチングの解説
コーチェット社内だとメンバーの目標達成とか目標に向けたアクションとかは、他のメンバーと話して、アクション決めて自分でやってくれてる。
マネジメントしている僕としてはありがたい。
一方メンバー側はこれをやってることで、自分に管理責任はないんだけれども、支援する相手ってのが社内にいる、 支援してくれる人がいるっていう、そういう相互の関係性になる。
あっ。
これもしかして、マネージャーと違って、支援する相手への責任が重くないのが良い?
はい。
責任があると、どうしてもこう詰める雰囲気が少しは出るというか。早く動いてもらわないといけない、ここまでしてもらわらないといけないっていうのがあるからサポートする姿勢だけで接するのが難しい。
無責任だけどサポーティブに携われる関係っていうのが良くて。
それが相互で、やってもらったからやってあげるっていう関係になっていく。
自律的な組織のつくり方として理想っすね。
そうか、上司ではない相手に課題を相談できるからメンバーも動きやすいし、成長しますよねえ。
これをやるときにオススメしているのは、メンバー同士といっても同じチームじゃない人とやることなんです。
同じチームの人とやると言語化しなくても伝わることが多過ぎちゃうので、言語化をサボれちゃうんですよね。
違うチームの人だと「自分が今持っている目標はこれ。抱えてる課題はこれで、チームはこんな状況で〜」って説明しなくちゃいけないじゃないですか。
説明することで自分の課題を俯瞰できるのはコーチングの効果ですが、それはチーム外の人とやった方がいい。
ただ社外の人だと遠すぎるし、社員全員にコーチをつけるのはコストが高いじゃないですか。
だから社内の別チームの人とやるのか。面白いなー。
マネージャーの仕事が多すぎるんだったら組織で分担すればいいじゃん、って考え方が大変素晴らしいですね。
ピアコーチングをチームに導入するとしたら、何からスタートすれば良いんですかね?
組織の状況にあわせて導入する必要性はあるので、やってみたいという会社は相談してもらえると嬉しいですね。
やり方は難しくはないんです。
今は大学生にも使ってもらってるんですけど、大学生でもちゃんとピアコーチングやれていますから。
ただ、マネージャーや経営層みたいにレイヤーが上がると逆に難しくなる場合があって。
あーーー
マネージャーや経営層が難しいの、感覚的にわかります。
成功体験や経験があるから……?
そうですね。
忙しいからというのもありますが、アンラーニングが難しいからだと思うんです。
ぼくも関わっているチームで「こういうコミュニケーションの取り方にしたらうまくいくじゃん」って伝えて、チームメンバーはできるんだけどマネージャーや経営者は実践できないって状況になることがありますねー。
めっちゃある。
僕らがサービスとしてピアコーチングを提供するときは、台本みたいなものを渡して、まずはこの通りに相互にコーチングをしてみましょうと言うんですね。
経験のあるマネージャーからすると、この台本通りにやるのかったるいなって思ってしまったり、自分はわかってるからこの通りにやらないでいいだろうと考えてしまうことがあって。
自分の経験や知識が邪魔して、その台本通りというフレームワーク通りに行動できないんだなあ。
部下にやらせるのはいいけど、自分は面倒なフレームワーク通りにやらずにラクしたいってなる。
コミュニケーションには技術的問題と適応課題っていうのがあって。
技術的問題はHowの話なんで、こういう質問しましょうとか、こういう順番で聞きましょうということを理解してアクションすれば良いんです。
適応課題は、自分はなぜ人の話を聞けないのか、とか自分の価値観の話でもあるので本を読んでも変わらないんですよ。
実際にコミュニケーションを取っていく中でフィードバックをもらって、自分が変わっていかなくちゃならない。
それで、マネージャーや経営者の方が適応できないってことが発生するわけですね。
自分自身のダメなところを認めたくないって心理があるだろうから、上手くフィードバックもらえる機会がないと変わっていけないですよね。
部下のことを詰めちゃうマネージャーがなぜできるのかというと、例えば成績が悪い営業なんてクソだろうって価値観がその人にあったりするからじゃないですか。
自分はそれでのし上がってきたんだって思ってると、そうじゃないやつは我慢ならないってなってしまう。
むしろ、なんで高い目標にお前らはワクワクしないんだって感じになってしまう。
それって相手のことを自分の価値観で見てるってことに気がついていない状態なんです。
レイヤーが上がって「偉い人」的な立場になったら、指摘するようなフィードバックがもらえなくなっていくし、ムズいっすよね。
だからこそ、コーチングとかピアコーチングで第三者が介入してあげる方が良いんだと思っています。
「いまになって振り返ると、起業家の横にいて話を聞くというのはコーチング的だったなって思いますね。」
コーチングを組織に取り入れていくのって、めちゃめちゃ良いですね。
去年コーチングさせてもらったスタートアップの経営者の方がいて、最初はその方は「他人にまったく興味がもてない」って言ってたんですね。
例えば、自己紹介する時にみんな趣味は◯◯とかいう話をするけど、なんでああいう話をしているのかよくわからないし、興味もないって。
うーん、経営者でそこまで人に興味が持てないの、組織づくりで苦労しそうだけど……
でも今はその方はチームメンバーを深堀りする社内ラジオを熱心にやるようになったんです。
コーチングを通じて自分を客観視できるようになって、それぐらい他者に関心が向いたんですよね。
えー、そんなに人間 180° 変わるんですか (笑)
コーチングを通じて、「社交的でなくても相手に興味を持つことはできる」とか「どうして自分は興味を持てなかったのか」というのに気がついたみたいで。
人間ってできないことをやりたくないことだ、って思い込んじゃうことってあるから「社交的ではないから、自分は他人に興味がないんだ」と置き換えてしまうこともある。
そういうバイアスを知ることができたんだと思います。
この話を聞いていたら、起業家がコーチをつけたがるの、わかるなあ。
いまになって振り返ると、コーチェットにかかわる前からずっと創業者や起業家の横にいて一番話を聞く人みたいなことをやってきたのは、コーチング的だったなって思いますね。
スタートアップで失敗をした起業家が「自分は起業に向いてないんじゃないか」と考えているうちに「自分は本当は起業なんてやりたくないんだ、自分がやりたいことはこれじゃなかった」って正当化しちゃうこともあります。
でも、こちらに話してもらうことで、そのバイアスに気づいてもらえるケースもある。自分も自分の色眼鏡(バイアス)をいったん外して、誰とでも話せるように向き合う姿勢は持ち続けたいなと思っています。
まとめ: 起業家を支える人のマインドセット。
どのように組織課題を解決していくべきかを学べる良いインタビューでした。
■ 生真面目には受け取らないけれども否定するわけでもなくて、予備動作はしておく。
■ チャーミングさの資質をもった起業家を選ぶ。我慢するのではなく「しゃあないな〜」で流せる相手。
■ 「マネージャー足りない問題」は、仕事が多すぎる・学んでない仕事をしているという課題を整理する。
■ ピアコーチングのように自律分散しながら相互協力できる組織をつくっていくには、責任のネットワークではなく、責任から開放されたコミュニケーションが必要。
起業家というパワーがありすぎて真っ直ぐ走れないエンジンにブレーキをかけずに、そのパワーを受け止めるシャーシや足回りとなっていく仕事スタイル。
「良い右腕」になりたい人にとってだけではなく、けんごちさんの言葉は多くの人にとって上司とのコミュニケーションやチームコミュニケーションの改善ヒントとなったのではないかと思います。
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けんごちさん プロフィール
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(企画・編集:フジイユウジ / 取材・文・撮影:奥川 隼彦) 取材:2024年3月